小学校の教員を40年近くやってきましたが、以前から、退職したら地元で寺子屋のようなものをやりたいと夫婦で話し合っていました。
小学校で過ごす中で、子どもたちと一緒に考え、共感し、教え教えられ、育て育てられ、様々な体験をしてきました。それらは私の財産であり、生きていく支えとなりました。
学ぶということは、いくつになっても楽しいことです。今まで分からなかったことや、苦手意識のあったことができるようになったときの感動はとても大きいです。
私は小学生の頃、全く本を読まない子どもでした。中学生になっても、時々図書室に行って推理小説を読む程度でした。
そんな私が20代の初めの頃、友達に薦められて、ミヒャエル・エンデの「モモ」と「はてしない物語」を読みました。物語の世界に魅了され最後まで読み通せた自分に驚き、自信が持てました。あのときの達成感は今でも忘れられません。
苦手と思っていた歴史が今は大好きになったり、今まで関心の無かったクラシック音楽に魅せられるようになったり、何歳になっても新しい世界との出合いは楽しくワクワクします。
誰しも、多かれ少なかれ得意・不得意なことはあります。でも、ちょっと背中を押してくれる人がいたり、アドバイスをしてくれる人がいたりする中で、また新たな人生が広がっていくことでしょう。
ささやかな学び舎の「寺子屋塾」ですが、そんなことが少しでもできれば良いなと思います。
笑いあり、発見あり、ユーモアあり、驚きありの日々、子どもたちからたくさんのエネルギーをもらっています。